命の選択-学会除名の医師-

受精卵の段階で遺伝性疾患の有無などを調べる着床前診断を日本産科婦人科学会に無断で実施し、4月に同学会を除名された大谷産婦人科(神戸市)の大谷徹郎院長が、新たに15組の夫婦に同診断を実施していたことが5日、分かった。(時事通信-11月5日)

このニュース、除名された医師が行ったことについて問題にしたいわけではない。問題は、この、着床前診断についてだ。着床前診断は、体外受精卵の細胞の一部を採取してDNAや染色体を調べる方法で、染色体の異常を事前に見つけられる。そのため、流産や人工妊娠中絶を防止できる一方、「命の選択」につながるとの批判もある、とニュースにはある。

さて、どう思う。意見は分極化するだろう。命という観点から見ると、その命を振り分け、不要なものを排除するというこの手法は、不届き千万、以ての外だろう。しかし、同じ命の視点から見たときに、流産を防ぎ、母体への安全性を高めるとしたら、どうだ。出産のためなら、母は死を選ぶべきか。少し飛躍した発想だが、このように考えることも不可能ではない。

出産は、やはり女性にとって非常に大きな問題だと思う。私はまだ出産経験が無い。だから、この着床前診断について、一概に否定できない。なぜなら、自分がもし、検診で流産の恐れが99パーセントといわれた時、どうするか。それは、想像の域を出ないからだ。

頭で理解できることと、心で判断できることのギャップを、現在、母という体験をしていない私には埋めることができない。そして、この自分に選択権を与えられる着床前診断について、あまりに恐ろしく、賛成とも反対ともいえない。

私はものの是非を問いたいのではない。ただ、母の立場、未婚の立場、出産未経験の立場、いろいろな立場で、そして色々な女性の中で意見が対立する問題だと思ったのだ。今日のニュースを読みながら、なんとも複雑な気持ちになった。

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by neko_tin_neko_tin | 2004-11-05 22:04 | 社会
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