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日本の2030年の姿

政府の経済財政諮問会議が策定を進めている「日本21世紀ビジョン」の原案が26日明らかになった、というニュース(読売新聞-3月26日)。

2030年の日本の理想的な姿。
ニュースでは「健康で自立して生活できる年齢が現在の『75歳』から『80歳』に延びるなど国民がより豊かで長生きできるようになり、日本経済全体も実質1%台後半の安定成長を維持する」と書かれている。また諮問会議は4月中にもビジョンを最終的に取りまとめる方針で、「大平内閣の『田園都市国家構想』※1や小渕内閣の『21世紀日本の構想』※2に並ぶ長期国家構想に位置づけたい意向」だとか。

原案では、国民生活に欠かせない新たな「三種の神器」として、「質の高い健康サービス」「年齢にかかわらず楽しめる生涯教育サービス」「夫婦が共同で子育てを行うための支援サービス」を挙げているとのこと。現在の状況では、なかなか期待できない「三種の神器」。

また、原案は2030年の日本経済の姿として、実質経済成長率は1%台後半を確保し、1人当たりGDP伸び率も2%を維持しているとした。

さて、自分自身に問うてみる。2030年、自分は何歳になっているか。高齢者の第1歩を踏み入れる時期だ。その時、日本の姿はどうあって欲しいか。国の目指す2030年と共通項はどれほどあるだろうか。

将来に対する漠然とした不安感を抱える人が増えている日本において、この理想の姿に賛同しともに築き上げようと思う国民は、どれほどいるのだろうかと考える。先日の調査で「自分勝手で刹那的な現代高校生」と言われた彼らが、日本社会、経済の担い手となっている時代だ。

非常に個人的な感覚だが、日本人は今、崩れた何万ピースものジグゾーパズルのようだと思う。個々の人生と国の将来が一致せず、ひとつひとつのピースは、決して一つの絵になろうとはしない。そのピースひとつひとつが、全体像の絵を完成するために、心を動かす日がこの25年間でやってくるのだろうか。もうすでに、若者にはそのような意識が低下しているという結果が出たばかり。

個々人が、この国の国民であり、故に自身の生活があるという意識が改善、向上、強化されない限り、2030年の日本像は、絵に描いたもちになってしまうのではないだろうか。政策だけが整ったとしても、個人の国民としての意識が芽生えない限り、難しい問題だと感じる。

そして自分に再び問う。

私は、2030年、どうありたいか。
どんな日本で暮らしていたいか。
中国にいながら、考えてみる。


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※ことば1※『田園都市国家構想』・・・昭和53年発足したに大平内閣において、総理が提唱した構想。日本文化の特質を生かしつつ、工業化文明からの脱却、転換に対応するものとして提唱されたもの。単に地域のあり方を考えるのではなく、新しい国家のあり方を考えるというもので「都市に田園のゆとりを、田園に都市の活力をもたらし、両者の活発で安定した交流を促し、地域社会と世界を結ぶ、自由で、平和な、開かれた社会」を目指す構想。

※ことば2※『21世紀日本の構想』・・・2000年1月、小渕内閣で出された日本の構想。日本の中に潜む資質、才能、可能性を活かすことが日本の将来のカギとなり、「日本のフロンティアは日本の中にある」とうたったもの。「自立」と「寛容」の精神を育てる必要があるとしている。
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by neko_tin_neko_tin | 2005-03-27 12:30 | 社会
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