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愛国心教育を・・・

国民の「国を愛する気持ち」をもっと育てる必要があるとする人が8割を超え、過去最高を記録した、というニュース(産経新聞- 4月10日)。

内閣府がまとめた「社会意識に関する世論調査」で、愛国心教育が必要だと答えた人の割合が8割を超えたことが9日分かったという。政治的には、自民、公明の与党両党に将来の教育基本法改正で「国を愛する心」を盛り込むかどうかで意見対立があるようだが、こうした論議にもなにかしらの影響を及ぼしそうだ。

このニュースによると、「国を愛する気持ちを育てる必要を感じる人は、過去最高だった前回平成16年をさらに0・5ポイント上回る80・8%」で、「『必要ない』との答えは10・4%にとどまった」という。男女とも高い年齢層に「必要」との回答が多く、70歳以上の男性では90・7%に達したらしい。


さて。
今、中国にいる私は、この「愛国心」という言葉を素直に受け入れられない。このところ、反日デモが続き、とうとう怪我人も出た。その怪我を負わせた中国人も、この反日デモの参加者も、みな「愛国心」をもって行動している。その愛国心がどのようなものであれ、国を愛していることにはかわりが無い。

暖衣飽食の時代が長く続いた日本は、その豊かさゆえに、国としての日本を、霞の向こうにある他事として捉えているのかもしれない。そう考えると、日本人の「愛国心」は、確かに薄れているともいえなくない。

国民性形成の心底に、私は教育があると思う。人格形成にすら多大なる影響を及ぼすであろう教育に、「愛国心」を盛り込む時、それはどのような姿をなすのだろう。時代は平成、決して戦時中の「愛国心」ではないが、私はこの言葉をなぜか素直に受け入れられない。

なぜなら、「国を想う気持ち」と「愛国心」は別物だと思うのだ。それは、前者が深層で息づくものであるのに対し、後者は国家が表層で作り上げるものだと考えるからだ。これらは、「文化」に相通ずるところがあるように感じる。

しかしながら、愛国心が必要だと答えた日本人が増加したことは事実。どうか、歪んだ愛国心を植え付け、洗脳することだけは避けて欲しいと切に願う。日本人は大丈夫、と安心はできない。教育とは、恐ろしいものだ。中国の現状を見て、そう思う。

わずかではあるが、憂国の情を抱かせたニュースだった。



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# by neko_tin_neko_tin | 2005-04-11 08:58 | 教育

日本の2030年の姿

政府の経済財政諮問会議が策定を進めている「日本21世紀ビジョン」の原案が26日明らかになった、というニュース(読売新聞-3月26日)。

2030年の日本の理想的な姿。
ニュースでは「健康で自立して生活できる年齢が現在の『75歳』から『80歳』に延びるなど国民がより豊かで長生きできるようになり、日本経済全体も実質1%台後半の安定成長を維持する」と書かれている。また諮問会議は4月中にもビジョンを最終的に取りまとめる方針で、「大平内閣の『田園都市国家構想』※1や小渕内閣の『21世紀日本の構想』※2に並ぶ長期国家構想に位置づけたい意向」だとか。

原案では、国民生活に欠かせない新たな「三種の神器」として、「質の高い健康サービス」「年齢にかかわらず楽しめる生涯教育サービス」「夫婦が共同で子育てを行うための支援サービス」を挙げているとのこと。現在の状況では、なかなか期待できない「三種の神器」。

また、原案は2030年の日本経済の姿として、実質経済成長率は1%台後半を確保し、1人当たりGDP伸び率も2%を維持しているとした。

さて、自分自身に問うてみる。2030年、自分は何歳になっているか。高齢者の第1歩を踏み入れる時期だ。その時、日本の姿はどうあって欲しいか。国の目指す2030年と共通項はどれほどあるだろうか。

将来に対する漠然とした不安感を抱える人が増えている日本において、この理想の姿に賛同しともに築き上げようと思う国民は、どれほどいるのだろうかと考える。先日の調査で「自分勝手で刹那的な現代高校生」と言われた彼らが、日本社会、経済の担い手となっている時代だ。

非常に個人的な感覚だが、日本人は今、崩れた何万ピースものジグゾーパズルのようだと思う。個々の人生と国の将来が一致せず、ひとつひとつのピースは、決して一つの絵になろうとはしない。そのピースひとつひとつが、全体像の絵を完成するために、心を動かす日がこの25年間でやってくるのだろうか。もうすでに、若者にはそのような意識が低下しているという結果が出たばかり。

個々人が、この国の国民であり、故に自身の生活があるという意識が改善、向上、強化されない限り、2030年の日本像は、絵に描いたもちになってしまうのではないだろうか。政策だけが整ったとしても、個人の国民としての意識が芽生えない限り、難しい問題だと感じる。

そして自分に再び問う。

私は、2030年、どうありたいか。
どんな日本で暮らしていたいか。
中国にいながら、考えてみる。


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※ことば1※『田園都市国家構想』・・・昭和53年発足したに大平内閣において、総理が提唱した構想。日本文化の特質を生かしつつ、工業化文明からの脱却、転換に対応するものとして提唱されたもの。単に地域のあり方を考えるのではなく、新しい国家のあり方を考えるというもので「都市に田園のゆとりを、田園に都市の活力をもたらし、両者の活発で安定した交流を促し、地域社会と世界を結ぶ、自由で、平和な、開かれた社会」を目指す構想。

※ことば2※『21世紀日本の構想』・・・2000年1月、小渕内閣で出された日本の構想。日本の中に潜む資質、才能、可能性を活かすことが日本の将来のカギとなり、「日本のフロンティアは日本の中にある」とうたったもの。「自立」と「寛容」の精神を育てる必要があるとしている。
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# by neko_tin_neko_tin | 2005-03-27 12:30 | 社会

アジアの主導通貨を「元」に

日本の「円」では不十分、アジアの主導通貨は「元」だ、というニュース(時事通信-3月12日)。

中国の新聞社などが報じたところによると、北京で開会中の中国国政助言機関、人民政治協商会議の委員らが、急成長を続ける中国の通貨の名称を「人民元」から「中国元」に改め、更に「アジア元」としてアジア地域の主導通貨にするよう提案したというニュースだ。

これによると、「中国の貿易や観光業が拡大する中、人民元は既に『環中国圏』に流通している」、「アジアでは日本経済が低迷を続けており、日本円の利率は変動が激しい」などの理由で、「円」ではアジアの主導的貨幣になるには不十分だという。それに変わって、「中国元」がアジア地域の主導通貨になりうるとのことだ。

さて、いかが思う。中国は確かに今急成長をしている。ここ東北地方に住んでいても、活気を感じるし、また日本人とは異なるなんともいえぬエネルギーが伝わってくる。しかし、それは一部の話だ。

そもそも、ODAはどうなった。中国の急成長は認めるが、あまりに側面的ではないか。現状ではどれだけ日本の景気が低迷しているとはいえ、まだまだ世界第2位の経済大国である。現状では、アメリカと日本のGDPを合わせると、世界の50パーセントともいわれている。2015~2020年には、中国が日本を抜くだろうという予測もあるが、今はまだ日本の「円」に軍配ありではないか。

中国が日本を抜き、更にはアメリカを抜いて世界第1位になる日が来る可能性は否定できない。しかし、この話題は少なくともあと5年先までわからない。ちょっと早すぎる提案ではないか。そんな気がする。

中国のこの提案があまりに政治的で納得いかないのは私だけか。


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# by neko_tin_neko_tin | 2005-03-12 17:26 | 中国

中国語拡大作戦

中国語、1億人に普及へ、というニュース(時事通信-1月26日)。

中国政府は、中国語を本格的に海外へ普及させ、世界との懸け橋にしようという「漢語橋5カ年行動プロジェクト」を認可したというニュースを、先日ネットニュースで見つけた。今後数年以内に中国語専門学校「孔子学院」を世界に100校設立する構想を打ち出し、海外の中国語学習者を現在の約3000万人から、北京五輪直前の2007年までに3倍以上の1億人に拡大させる計画だという。

中国は言うまでもなく今急速な経済発展をしている。昨年のGDPも目標の7%を超え、9.5%だったころからも、中国のある種の勢いを感じずにはいられない。中国にいると、その活気にも近い人々のエネルギーを感じる。

そして、今回のこのニュース。現在、日本など各国で中国語ブームが起きている。中国政府としても、世界に中国語を浸透させることで、中国の存在感を高めようという国家戦略があるようだ。実は、言語の普及とは恐ろしくもある。言語はコミュニケーションのツールとして有効であるだけではなく、実はその言語の文化を知らず知らず吸収していくからだ。

言語は、文化を下支えに経済も発展させる力があると思う。中国は経済の発展と共に、言語の普及による文化の進出も脅威となるのかもしれない。隣国の中国が本当に力をつけたそのとき、日本はどうなるのだろう。日本に帰ってきて、今の日本に本当に不安を感じる毎日だ。

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# by neko_tin_neko_tin | 2005-01-29 19:57 | 中国

常用漢字、増えるの?減るの?

「国語に関するさまざまな問題点を検討してきた文部科学相の諮問機関・文化審議会の国語分科会は24日、パソコンなどの急速な普及で、国民が目にする漢字が増えていることを受け、常用漢字表を含む漢字政策の抜本的な見直しが必要だとする報告書案をまとめた」というニュース(読売新聞-1月25日)。

今回の報告書案では、現代の情報化を想定せずに作られた現行の常用漢字表が、「一般社会で使用する目安」として、十分に機能しているかどうかを改めて検討する必要があると指摘している。新聞でも常用漢字表以外の漢字が少しずつ使われてきている実態を踏まえ、常用漢字表に掲載する漢字の数のほか、その位置づけについても抜本的に見直す時期に来ていると提言したという。

常用漢字の見直しを巡っては、「人名用漢字を含めるべきだ」と増加を求める意見がある一方、パソコンなどの普及で国民の書く力が低下しているとの指摘もあることから、むやみに数を増やすことに慎重論もあるようだ。

一方、報告書案では、機会が減っている漢字の手書きについても、「習得に大きく寄与し、筆順も確実に覚えられる。日本の文化としても捨ててはいけない」と、その重要性を強調したという。

そもそも、常用漢字とは何か。常用漢字とは、一般社会で使用する漢字の目安として、1981年に国語審議会が答申、告示したもので、その数1945字。ちなみに、付表には110語の漢字がある。ただし、人名などの固有名詞は対象外とされていて、人名には法務省が定めた人名用漢字がある。それらを含めると計2928字。

さて、あなたは1945文字の常用漢字を読み書きできる自信があるか。常用漢字の中で、小学6年生までに学習した教育漢字1006字ならどうだろう。漢字を毎日目にしていても、読めるとは限らず、書くとなるとなおのことだ。

携帯電話のメール、PCのメール、インターネット、テレビ等々、漢字を目にする機会はあるものの、書く機会は格段に減少した。また、辞書も電子辞書やオンライン辞書などにより、読めなくても、部首をしらなくても、調べる方法はいくらでもある。この、常用漢字の見直しは、当然の結果であろう。しかし、問題は増えるのか?減るのか?だ。いや、増減に伴う学習方法の方が重要かもしれない。

小学校時代、マス目のあるノートで書き取り練習した私たちの時代と現代は確かに異なるかもしれないが、漢字・平仮名・片仮名・ローマ字の4種類の文字を使いこなせる人種として、漢字の存在、位置づけを考える必要がある。漢字は、われわれの名前にも関わる重要な問題。漢字の増減とその習得方法の今後の展開に注目したい。

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# by neko_tin_neko_tin | 2005-01-25 21:51 | 教育